大人と子どもの注意力と認知の仕方が違うということを理解する




 2019年5月に発表されたオハイオ州立大学の心理学教授であり共著者のVladimir Sloutsky教授達による最新の研究により、大人と子どもでは、注意力の働き方と認知の仕方に大きな違いがあることが判明しました。大人は、重要であると判断したことに集中して注意力を働かせることが得意ですが、子どもは、もっと幅広く様々な情報を認知し、重要な情報が途中で変化する場合には、大人よりも素早く対応することができることが証明されたのです。

Warning to adults: Children notice everything
Kids have learning advantage in some situations, study finds



 Date:August 5, 2019

Source:Ohio State Universit

Summary:
Adults are really good at paying attention only to what you tell them to -- but children don't ignore anything. That difference can actually help children do better than adults in some learning situations, a new study suggests.

Adults are really good at paying attention only to what you tell them to -- but children don't ignore anything.
「大人は注目して下さいと言われたことに注意を払うことが得意だが、子どもは、あらゆることに注意を払っている」
 この調査研究では、34人の大人と36人の4歳児を対象に、パソコンモニターに映る面白い顔、アンテナ、尻尾を持ったカラフルなエイリアンの絵を見せていき、FlurpsとJeletsという2種類に分類させていきます。あらかじめ「だいたいJaletsは青い尻尾で、Fllurpsはオレンジの尻尾を持っています。付け加えるとFlurpsの多くはピンクのアンテナを持っています。」と話して、分類ゲームをさせました。そして事前に告げられない特徴を一つ設定しておき、途中で、なんの予告もなく、その特徴こそが2つのタイプを分類する決め手となるように分け、初めに設定した特徴を同じにしてしまいます。
 突然のルール変更の中、大人は混乱しながら、大半のFlurpsがピンクのアンテナを持つという手掛かりからFlurpsとJeletsを分類していきますが、リカバリーにかなり時間が掛かり、ピンクアンテナ以外の決め手を把握することも難しいようでした。これに比べて、子ども達は、告げられていない特徴の変化とピンクアンテナとの連動に素早く気がつき、その特徴を新たな分類の決め手として使い始めたのです。
 大人から見ると注意散漫で集中力に欠けるように見える子どもの認知特性が、実は、満遍なく注意を払い、新しい変化に素早く着目して適応していく能力としては、大人をはるかに上回る可能性を持っていることを示唆する結果となっています。


Story Source:
Materials provided by Ohio State University. Original written by Jeff Grabmeie. Note: Content may be edited for style and length.


Cite This Page:
Ohio State University. "Warning to adults: Children notice everything: Kids have learning advantage in some situations, study finds." ScienceDaily. ScienceDaily, 5 August 2019. .


 このように、大人からは、注意力散漫とネガティブに判断される子どもの特性も、環境の変化や状況の変化を素早く察知してそれに適応していく場面では、その散漫な注意力が、むしろあらゆるものを視野に入れて認知する優れた能力として理解される点が、非常に重要だといえます。ご自身のお子さまが「注意力散漫」「集中力に欠ける」と、教師や周囲の大人から判断されて、心配になっている保護者の方は、少し立ち止まって、その子の認知の仕方が大人とは違っているということを考慮してあげて下さい。

 自然の摂理として、子どもに与えられている高い適応力の基盤である認知特性を「注意力散漫」「集中力に欠ける」というネガティブなものと、大人が決めつけて無理に集中させようと仕向けることは、その子の大きな可能性の芽を摘んで、要らぬコンプレックスを持たせることにつながってしまうのではないでしょうか。

 新しいものへの好奇心や、探究心が強くあるのであれば、熱中するものに出会えば、自然と集中して思考していく回路が徐々に開けていくはずです。無理に抑え込むのではなく、いろいろな経験を積んだり、面白い人や本と出会う機会を設けたりしていくことで、その子が夢中になる何かに出会っていくように心がけていくことが、大切なことと思います。



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