日本語と英語の習得バランスについて
PonoLipo Shopでは、英語の絵本を多く扱っています。私自身が、子どもが4歳から7歳までの4年間をハワイで暮らし、子どもと一緒に絵本やお歌から英語を学び直して、とても楽しかった経験と、その時に育まれた英語を聞き取る能力が、帰国後10年近く経っても衰えることなく子どもに備わっていた経験というふたつの貴重な体験から、お子さまと一緒に英語を遊びながら勉強すると楽しいですよ、お子さまのお耳もできますよとお話してお薦めしています。お店では、英語が苦手なパパやママも、お子さまと一緒に無理なく楽しめる英語の絵本をご紹介しています。
もうひとつ力を入れているのは、幼稚園年長さん以上小学校高学年くらいまでを対象として出版されている英語圏のアカデミックな児童書です。地理、歴史、数学、科学、生物、宇宙、地球環境、自然などのジャンルの本や図鑑、辞典、百科事典などです。これは、向こうの社会が飛び級のある教育制度であるため、まだ字の読めない小さな子供でも、美しい絵や写真などのビジュアルを楽しむ形で、引き込まれて見入っていく中で、知らないうちにどんどん読めるようになり、大人も驚くような深いレベルまで、自分が知りたいことの知識を吸収していくことができるように編集されているため、「幼児向け」「低学年向け」「中学年向け」「高学年向け」などと輪切りにされて編集されることの多い日本の類似書籍よりも、その子のメジャー(専門分野、専攻)を見つけて伸ばしていくのに役立つと、自分の子育て経験から実感したためです。
大人も、面白くて前のめりになって熱中するような本でなければ、子どもの貪欲な知的好奇心を満足させることはできません。今、ある私立小学校のアフタースクールのライブラリー構築の仕事をしていますが、かなり真剣に内容やビジュアル、書評などに目を通して、1冊1冊丁寧に選書しています。その作業の中で実感するのは、日本語では漢字の壁があって年少の子どもが、自分の好奇心ひとつで自由に先へ先へと深くのめり込んで学んでいくことが困難であるということです。これは英語には無い大きな壁となっています。
ハワイで子供が通っていたノエラニスクールの担任の先生から、子どもが5歳のキンダーガーテンの時にアドバイスされたのは、母国語が伸びなければ、第二言語である英語も伸びないので、家庭ではまず母国語を優先して伸ばすように努めなさいということでした。読み書きという点から英語と日本語を比べると、明らかに日本語の方がひらがな、カタカナ、漢字の音読み・訓読み入り乱れて膨大な量の文字をおぼえなければならず難解です。英語の環境に身を置くと案外すっと英語に慣れていきますが、その子が、両親とも日本人で日本語で家族や周囲の人たちと会話して育っている以上、母国語は日本語です。ずっと英語圏で生きていけば習得しやすい英語がどんどん母国語のようになっていく場合もありますが、その場合は日常両親の少なくともどちらか、また兄弟同士で、家庭でも英語を使って会話しているケースが多いようです。親も子も英語を日常使い慣れていくパターンです。日本で暮らしながら、日本語と英語をバランス良く伸ばしていくことは、ほんとうに大変で難しいということを、7歳で帰国してから味わいました。
もし英語に傾いて日本語の能力が少し心配になったり、普段の会話での語彙数が少ない点が気になったりする場合には、自分で字が読めるようになってからも、しばらく毎晩本を読み聞かせすることをお薦めします。耳から聞いて話を理解するという基礎に戻ると無理なく読む書くに繋がる道が開けたりします。絵の多い絵本をただ読み聴かせるだけでなく、絵の細部をあれこれ指をさして会話したり、「君ならどうする?」というような、その子の意見や考えを聞く質問をしたりしてやり取りすると、その子の言葉の理解力、表現力を実感することができます。時々は、その子の興味のある分野の図鑑や事典などで、ルビのない漢字混じりの文章を、子どもにも読んでいるページを見せて、文字を指でたどりながらゆっくり読んであげたりすることも、漢字の理解に繋がります。その子が夢中になって知りたいという分野の図鑑や読み物を、一緒に広げて読んであげることは、とても効果的です。何度か一緒に読んであげれば、後は自分でどんどん入り込んで読めるようになって来るはずです。
子育てには、急がば回れということが、よくあります。何か問題が生じたら、少し前に戻って丁寧に根気よく接してみて下さい。また問題行動やトラブルが生じる場面は、親にとっても子どもにとっても、1段大きなステップを上がるための大切な教育機会ですから、簡単に諦めたり決めつけたりしないで、根気よくいろいろなことを試してみて下さいね。親が自分のために一生懸命に何かをしてくれるということは、その子の将来を支える温かな記憶として、しっかりと、その子の心に残っていくはずです。それが何より大切なことです。
8月23日に開催する「自由が丘Kids Fes」では、耳で聞くことで理解する基本を大切に絵本や物語の読み聞かせを中心に、英語と日本語の両方を楽しく学んでいくプログラム編成となっています。参加する運営スタッフは、殆どが、海外滞在経験やバイリンガルの子育てを体験している少しだけ先輩のママたちです。自分たちの経験から、これは大切と実感するところから今回のプログラムを企画編成しています。ぜひ、この夏休みに、お子さまと一緒に言葉の力を伸ばす試みとして、ご参加下さいませ。
「自由が丘Kids Fes」詳細へ
会場では言葉を使ったゲームで遊ぶこともできます! |
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