生まれて最初の10年間の教育環境が、その後の人生に大きな影響を与える



シカゴ市で長期間に渡って実施されているCPC-P3というプリスクール(3歳)~小学校3年生までを対象とした幼児教育プログラムの効果を対象者を35歳までフォローしてリサーチした縦断研究の結果、このような教育プログラムが、対象者のその後の学習経歴に長期的に大きな影響を与えたというレポートが、ミネソタ大学などの研究者によって報告されJAMA Pediatricsに今年1月30日に掲載されました。

Research finds early childhood program linked to degree completion at age 35
30-year follow-up
study of Chicago graduates shows increased postsecondary attainment

https://www.sciencedaily.com/releases/2018/01/180130123717.htm

Date:January 30, 2018
Source:University of Minnesota
Summary:
Participating in an intensive early childhood education program from preschool to third grade is linked to higher educational attainment in mid-life, according to a new study.


1983年から84年にシカゴ市のChild-Parent Centersの幼児教育プログラムを実施している幼稚園に入学してCPC-P3プログラムを受けた生徒989名をシカゴ市内の他の幼稚園・小学校に通った同年代の550名と比較して、その後の学習経歴を追跡調査した結果、この教育プログラムを小学校3年生まで受けた子供たちの方が、他の幼稚園・小学校に通った子供たちに比べて、より高度な教育プログラムに進む確率が高いことが分かりました。短大卒業者で1.5倍の15%、4年制大学卒業者1.4倍の11%、修士卒業者では3倍の4.2%という結果を得たとのことです。対象者の追跡率90%と信頼できる縦断研究といえます。

この縦断研究には、シカゴ大学の児童発達研究所のArthur J. Reynolds教授や、テンプル大学ミネソタヒューマンキャピタル研究所のSuh-Ruu Ou氏やJudy A氏、ミネソタ大学の研究者など多数の大学や研究所の研究者が参加しています。

「人生の最初の10年間に、しっかりした教育的な支援と家族の手厚い養育を受けられるかどうかが、その子の人生を経済的にも豊かでゆとりのあるものにするかどうかを決定づける大きなインパクトを持つ」ということが裏付けられたということです。

このCPCプログラムの詳細については、また改めて詳しくお伝えいたしますが、内容的には、国語(英語の言葉と読み書き)、算数、科学、動作、社会性・感情コントロールに関してのプログラムを組み込んだフルタイムの幼稚園と小学校3年生までのプログラムで構成され、保護者がプログラム遂行の当事者として、積極的に幼稚園・学校の授業サポートや特別授業や遠足の補助などを行うものだそうです。

大学と家族と学校(幼稚園)が、オンラインのサイトを通してつながり、また学校内もしくは隣接したセンターを設けて、保護者の各家庭を訪問したりときめ細かく保護者の相談に乗って、実際のプログラムにそれを反映させていくための専門のスタッフを置き、校長(園長)や外部の支援機関とも連携して教育的なコミュニティを構築し、継続的かつ地域的に広がっていく実際的な教育プログラムとして実績を上げているということです。

センターで、保護者は自身の仕事と家庭の問題を相談したり、ペアレンティングのスキルトレーニングを受けたり、教育についての授業を受けたりすることもできるそうです。また家庭で問題がある場合には、ソーシャルサービスの支援を受けることもできるそうです。

長期的な教育を受けた人の方が、心身の健康上の問題を抱えることも少ないという研究結果もあり、幼児から小学校低学年の時期の教育プログラムに力を入れることが、将来に渡って市民の安定した生活につながり、さまざまな行政コストを下げることができるということです。

これまでの研究で、CPCプログラムの参加者は、その他より高所得で犯罪遭遇経験も少なく、抑うつ的な傾向も低いという結果も出ているようです。

このプログラムの最大の特徴は、家庭と学校と大学などの専門機関を同列の当事者として巻き込み、子どもを中心とした大きな教育的なコミュニティーを地域ぐるみで作っていくことにあります。このCPCプログラムは、2012年よりシカゴ市以外にも広まり、現在ミネソタ、イリノイ、ウィスコンシンでも広く採用されています。



ハワイで子どもを通わせていたノエラニエレメンタリースクールも、PTAの結束が強く、大きな権限を持って学校の運営を支えていました。一度出席した役員の人たちのミーティングでは、スクールのオリジナルグッズ(文具やTシャツ、キャップなど)を作って構内の一角で販売し、その収益を学校の予算に組み入れていくという計画が話し合われていました。販売自体は、高学年の生徒たちに担当させれば、社会勉強としても有意義ではないかという話でした。校長先生の権限も大きく、人事と予算を決定する権限を持っていましたが、PTAは、学校の下部組織ではなく、校長や職員と一緒に学校をよりよく運営していくために協力しあう同志でした。

学校の行事に参加する保護者も多く、男性保護者も全体の4割以上参加していて、各プログラムの企画立案から運営まで積極的に関わってリーダーシップを発揮する場面も多く、とても頼もしい存在でした。当時のノエラニスクールでは、学校と保護者と生徒が一体となって良い環境を作っていこうという姿勢が貫かれていました。

子どもが小学校2年生の終わりに日本へ帰国して、私自身一番違和感を感じたのが、小学校のPTAの集まりが、9割以上、時には100%女性の保護者で占められていることでした。幼稚園年少の時には、パパも一緒でしたので、そのままの感覚でハワイで過ごして日本に帰って来たら、小学校の保護者会の様相が、幼稚園の時と一変していたので、ほんとうに驚きました。

このレポートを読んで、子どもを育て上げていくコミュニティを保護者と学校が一緒に形成していくことの大切さを改めて実感しました。男性保護者が、女性保護者と共に保育園や学校の活動に積極的に参加していくことの重要性を、パパとママおふたりでお話になってみて下さい。そして自分たちが当事者として積極的に関わっていくことができる開かれた教育環境を選び取っていくことが、お子さまの将来にとって、とても大切なことだということを改めてお考えいただければと思います。


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