ロールプレイ(ごっこ遊び)の大切さ(2)

前回は、大人が子どもに自然に話しかけ、一緒にごっこ遊びをする中で、家庭の中でのパパやママの役割やお仕事について、社会の中でのいろいろなお仕事や役割について教えていく、とても良い方法としてのロールプレイの側面についてお話しました。 もう一つ、ロールプレイ(ごっこ遊び)には、非常に重要な側面があります。それは、自分の気持ちや自分が体験した出来事をまだ言葉で表現する力が未熟な小さな子どもにとって、自身の内面を表出するのに言葉よりもずっと身近な表現方法だということです。 もしごっこ遊びの中で、乱暴な態度や汚い言葉、意地悪な行為が表出したら、反射的にそのようなネガティブな表出を「そんな乱暴しちゃいけません!」「そういうことするのは悪い子でしょ。やめなさい!」と叱って抑えつけるのは、かえって危険です。そういう態度や言葉が、ごっこ遊びの中で出たら、その子が、どこかでそれを体験しショックを受けていることを吐き出しているのでは?と考えて、例えば、ごっこ遊びに使っている人形を、「あらら、この子はなんでこんな乱暴したのかな?相手の子が痛い痛いって言ってるよ?」などと、その子自身がネガティブなことをしたのではなく、ごっこ遊びの中の子がそれをしていると受け止めて聞いてみて下さい。そうすれば、その子自身がショックによる混乱から少し抜け出して、たどたどしい言葉で、ごっこ遊びの中で起こっていることについてお話してくれるでしょう。 その子自身が乱暴をしたことを叱るのではなく、ごっこ遊びの中の悪いことをした子を冷静にたしなめ、乱暴をされた子には「大きな声で「やめて!」って言うのはどう?言えなかったら、すぐに近くの大人のところに逃げたらいいんじゃないかな。〇〇ちゃんならどうする?」と、あくまでごっこ遊びの中のこととして冷静に受け止めて一緒に考えながら、いろいろな良い解決方法を話し合ってあげると良いでしょう。 近年共働きのご家庭も増え、子ども達は小さな頃から保育園や学童などに預けられて、1日の大半を子ども達の集団の中で過ごします。保母さんや先生達の忙しさや、見なければならない子どもの数の多さを考えると、子ども達の間の小さな小競り合いやパワーゲームにまで十分な配慮があるものと安心しきれないのが現実ではないでしょうか。 ごくごく小さな頃そうした小競り合いがエスカレートしないう...