6/3 物語体験ワークショップのご報告



去る6月3日Zoo-Phonics Academy 自由が丘校のお教室で開催された物語体験ワークショップ。小学校1年生4人、3年生2人の6人でのグループワークとなりました。うち5人は男の子です。

最初に、みんな目をつぶっていろいろなものをイメージするウォーミングアップを経て、
世界中の口頭伝承の民話や昔話を集めた「ラング世界童話全集2 ばらいろの童話集」から「かえる」というイタリアの民話を声優でナレーターの友川まりさんが読み聞かせしました。事前の打ち合わせでは、絵などなく朗読というスタイルの12分ほどの読み聞かせに飽きずに集中できるのかという主催者側の心配の声もありましたが、そこはプロのナレーターの力量もあり、またウォーミングアップからの流れでイメージして聴いて下さいというインストラクションも奏功して、みんな驚くほど引き込まれて静かに聞き入っていました。後で参加した3年生の男の子のママから伺ったお話では、家に帰って聴いたお話のストーリーを最初から最後まで何度も話してくれたそうで、参加した子どもにとって、とても鮮烈な物語体験となったようです。

前半に、物語を聴いてイメージしていくというインプット体験をさせた後、後半に今度は裏返した沢山のピクチャーカードから1枚選んでめくったカードの絵を使って物語を紡いで繋いでいくという、自分の中で生まれたイメージを言葉にしていくというアウトプットの物語体験にグループで取り組みました。「ストーリーテリングゲーム」と銘打って、参加している子どもたちには、遊びとして捉えて自由に好きな言葉を発して良いという設定にしました。

この後半の「みんなで物語を作っていく」というフェーズについても、事前の打ち合わせでは、「クラスの授業でも余り自分から発言したりしない大人しいタイプの子たちなので、物語を創作することなど出来ないのでは?」という疑問の声が上がっていました。けれど、欧米では、こうした創作する、創造するという課題を4歳くらいから始めているのを私自身子どもをハワイで子育てした経験から体験的に知っていましたので、楽観していました。

ただ日本の教育が「そうした創作活動を幼少期にすることは無理」という前提で枠取りされていることを考慮して、「想像する」回路を開く前段のインプット物語体験を組み込んだ後で、「創作する」課題をグループでゲームに参加するというお互いに触発し合いながら、個人に負荷が集中しないセッションとしてチャレンジしてみたわけです。

結果は、大人の想像をはるかに超えるものでした。「大人しく自分から発言したりしない」と思われていた子どもたちから泉のように豊かに言葉がどんどん溢れて止まらないようでした。ものすごい集中力で、みんなで一緒にひとつの物語を紡ぐという場に引き込まれ、自然とわいわい意見を述べ、考え、発言して創作していったのです。

周囲で、最初は心配そうに見守っていたママたちも、その子供たちの積極的前のめりな様子、溢れるような創造性の発露に驚いて、最後に「保護者の方も一緒にご参加下さい」というと、わっと皆さんためらうことなく直ぐに参加されて、知的興奮ともいうべき熱気につつまれて、第1回の物語体験ワークショップは終了しました。



今回の体験は、企画主催した私たちにとっても、大変意義深く考えさせられる大きな体験となりました。さっそくこのワークショップをもっとオープンな形で展開できないかと、友川まりさんと盛り上がり、「自由が丘 Kids Fes」というイベントを8月23日から月1回ペースで開催していこうということになりました。こちらの方も詳細決まりましたら追ってご報告いたします。

日本では、こうしたインストラクターと参加する子どもたちがライブでセッションするような、いわゆる本当の意味でのワークショップというものが根付いておらず、またインストラクターや保護者自身が未体験で、子どもには無理と思い込んでいる大人がレッスンの枠取りをしている以上、こうした試みがされる機会がほとんど無いというのが現状です。

私自身も、ハワイの子どもたちがワイワイ自然に言葉を発してしっかり自分の意見や考えを幼い頃から言うのに比べて、日本のこどもたちが、すごくシャイで無口で受動的なことが気になっていました。自然風土や国民性の違いというよりも、道具立て、場面設定の仕方の違いによるものなのでは?という仮説を持っていましたが、今回のワークショップは、図らずもその仮説を実証し、日本の子どもたちとハワイの子どもたちの内面的な発達成長が、まるで同じであるということを証明する結果となりました。

今回のワークショップで使ったピクチャーカードは、ポケモンカードゲームのゲームデザインにも携わられた友人の大山功一さんに絵の構成バランスなどを配慮して作成していただいたもので市販されていませんが、PonoLipo Shop 自由が丘では、類似コンセプトの12個の絵入りダイスを使って物語を紡いでいくフランスの商品やパズルを繋いでいくタイプのイギリスの商品を店頭でご紹介し販売しています。いろいろな年齢層のお客さまにご説明して、その場で少し体験していただいている感触ですと、この能力を大きく伸ばすには、年限がありそうです。5歳から9歳くらいの子どもが一番抵抗なくすっと入っていって、驚くような才能を発揮して湧き出るように言葉を紡いでいくようです。最初たどたどしくても、繰り返せば繰り返すほど、どんどん目を見張るスピードで進歩していく様子には、毎回驚かされます。

お子さまの言語能力、コミュニケーション能力に心配を抱えていらっしゃる保護者の方は、ぜひこのストーリーテリングゲームをご家庭の遊びの中に取り入れてみて下さい。また、PonoLipoが今後友川まりさんと一緒に展開していく「自由が丘Kids Fes」での「ラング世界童話全集」からの読み聞かせ体験と、ブースで展開するストーリーテリングゲームをセットにして、親子で体験してみて下さい。



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今回のワークショップの手応えから、「自由が丘 Kids Fes」開催という形で、この物語体験を組み込んだ楽しい手作りイベントを自由が丘あおぞら銀行オアシスルームにて、第1回8月23日(木)午後を皮切りに毎月展開してまいります。ご興味がおありの方は、PonoLipo HPにて告知を行いますので、お見逃しなく!


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PonoLipo Shop 自由が丘
No Kids, No Life! 子どもといっしょ♪をテーマに子どもと一緒に過ごす時間を大人も
子どもも楽しんで学べるような絵本やおもちゃを選りすぐって取り揃えました。
サンプルも豊富に用意したプレイスペースもあります。

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